看護師のやりがい【忘れられない出来事】

看護師

こんにちは。Nafulaです。
本日は、看護師の仕事をしていて心に残ったエピソードを書いていきたいと思います。

私が看護師という仕事に就いてから、最初の職場で働いた約5年間は、
とても濃いものでした。
仕事はしんどかったことが多かったですが、
きっと私が続けてこられたのは、今でも忘れられない患者さんとの出会いのおかげだと
思っています。

このような出会いが、仕事のやりがいになっていたと思います。

辞めてから4年以上経っていますが、未だに患者さんたちとの
関わりを思い出すことがあります。
患者さんや患者さんから頂いた経験を忘れないでいたい
と思い、この記事を書くことにしました。

・あなたがしてくれた足湯、忘れません。


私が新人1年目の時、まだ右も左もわからず、先輩の指導を受けながら
仕事をしていた時代のことです。
がんの末期で入院されていたMさんが、闘病の末になくなりました。
天真爛漫で、誰に対しても優しく、明るく、とても素敵な方でした。

Mさんが亡くなった後に、生前に書かれた手紙をご家族の方から頂きました。
お手紙には、
「あなたがしてくれた足湯、忘れません。体も、心もポカポカになりました。」
と書いてくださっていました。
病気の影響で足がパンパンにむくんでいたので、私が足湯をしたことがあったのです。
それを覚えていてくださったようです。
新人で何もかもが不安な時に、このような優しい言葉を
かけてくださって、本当に救われました。

私以外にも、担当した看護師全員にお手紙を遺されていました。
先輩看護師と一緒に手紙を読んで、泣きました。
私は、Mさんの生き様を今でも忘れません。手紙も大切にとってあります。

新人の時の私に、働く希望をくださって、ありがとうございました。
あのお手紙は一生大切にします。
Mさんが天国で幸せでありますように。

・そばにいてくれて心強かった


30代で2歳の息子を残して亡くなったAさんのお話

Aさんは、30代後半の女性で、2歳の男の子のママでした。
がんを告知された時には、すでに全身にがんが転移していて、
治療は難しい状態でした。
Aさんの夫は、自死しており、息子を遺して亡くなるかもしれないという
恐怖感や不安で精神的な苦痛がありました。
夜になると、痛みと不眠で何度もナースコールがありました。
息苦しくなったり、痛みが強くなったり、とても苦しんでいました。
ある日の夜勤で、Aさんからナースコールで呼ばれてお部屋へ行くと、
「死にたくない。死ぬのが怖い。助けて。」
息苦しそうに言いました。

Aさんの苦しみや痛みは、私が簡単に言葉で表現できるようなものでは
ありません。
私はAさんからの言葉を聞いた時、Aさんの手を握って、背中をさすりました。
それしかできませんでした。手を握り、そばにいると、少し呼吸が和らぎました。

夜が明けて朝になり、、Aさんから、
「死にたいと思った時に、そばにいてくれてありがとう。心強かった。」
と言ってくれました。
それから受け持ちの時には、
「〇〇さん(Nafula)が担当の日は安心できる。」
「子どもは宝だよ。あなたはまだ若いけれど、子どもを産んでね。」

と言われたことを覚えています。

Aさんは闘病の末にお亡くなりになりました。
病気の痛みや苦しみと闘い、懸命に生きることを教えてくださいました。
サポートするチャンスをいただけたことに感謝しています。

天国で痛みや苦しみから解放され、息子さんのことを見守っていますように。
笑っていますように。

・こんなに綺麗な顔を見たことがないよ。


Uさんも、がんの末期で、ベッドから起き上がるのも厳しく
寝たきりの状態でした。

Uさんは、抗がん剤の影響で脱毛があり髪の毛が抜けていました。
ある日、私が昼間の担当をさせて頂いた時に、
病室に伺うと、ウィッグが置いてありました。
私がUさんに、「素敵なウィッグですね。」と言うと、
Uさんが、「そうなの。今日夫が面会に来るから。」と
おっしゃいました。

もしかしておしゃれをしたいのかな。と私は思ったので、
Uさんに聞くと、「夫にお化粧した姿を見せたい。」とのこと。
旦那さんが面会に来る時間に合わせて
Uさんがウィッグをかぶるのをお手伝いして、
お化粧道具をお借りしてチークとリップを塗りました。

そして、旦那さんが面会に来て、
お部屋に入った瞬間に、
「こんなに綺麗な顔を見たことがないよ。」
涙ぐまれていました。Uさんも嬉しそうに微笑んでいました。

お部屋に優しい空気が流れているような感じがしました。
残された短い時間、夫婦の愛を感じた出来事でした。

今自分が大事な人と一緒に居られる時間は、
あとどのくらいかな。
ふとそんなことを思い出します。

・また来てね。これからもずっとこの仕事を続けてね


患者さんのお部屋から出る時、
「また来てね。」と言ってくれることがあります。

そんな時、とてもありがたい気持ちになれました。

「これからも、ずっとこの仕事を続けてね。」
この言葉も、とても心に残っています。

何かできたわけではないし、自分が看護師の仕事は
向かないのではないかと思うこともありましたが、
このような優しい一言にいつも救われました。

改めて振り返ると、仕事で患者さんのサポートをすることが
看護師の仕事ですが、いつも患者さんから
助けてもらっていたなと思います。

本日の記事は以上です。
ありがとうございました。

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